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沖縄離島を軍事要塞化する「南西シフト」が進行 辺野古埋め立て承認撤回を国が効力停止の裏で 〈週刊朝日〉

沖縄離島を軍事要塞化する「南西シフト」が進行 辺野古埋め立て
承認撤回を国が効力停止の裏で 〈週刊朝日〉

10/30(火) 16:00配信 AERA dot.
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181030-00000012-sasahi-pol


米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐり、石井啓一国
土交通相は10月30日の閣議後会見で、沖縄県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤
回の効力停止を決めたと発表。防衛省は8月以降止まっている工事を再開し、土砂投入
に踏み切るという。

【写真】沖縄県与那国町にある陸上自衛隊の沿岸監視部隊のアンテナ施設
.

 こうした動きの裏で安倍政権は沖縄県、鹿児島県などの離島を「軍事要塞化」する作戦
が着々と進行していた。

 陸自は今年3月、“本版海兵隊”と呼ばれる水陸機動団を創設。本部は長崎県佐世保
市の相浦駐屯地に設置された。「島嶼防衛」が目的で、敵によって奪われた離島に上陸
し、奪還するのが任務だ。

 安倍政権下で陸自は対中国を念頭に「南西シフト」を近年、より強めてきた。鹿児島・
奄美大島、沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島などで自衛隊基地を新設または増強
してきた。各島間の海峡を封鎖し、中国海軍を東シナ海に封じ込めるための態勢作りだ。

 冷戦時代は旧ソ連が北海道に攻めてくるという「北の脅威」をあおって、陸自は北海道
に重点的に配備されていたが、その「南西諸島版」だ。前出・流通経済大学の植村教授
が説明する。

「北の脅威がなくなり、新たな職場確保のため別の脅威を作りだす必要性に迫られたの
です。予算をつけたり部隊を動かしたりすることを正当化するシナリオが、島嶼防衛なの
です。南西シフトでは『海・空』重視に傾きつつあるなかで、陸自も存在理由をアピールし
たわけです。しかし、中国が、石油などの資源があるわけでもない沖縄を占領するメリット
はないし、仮に占領しても、米軍がいるので物資の補給が断たれるから維持できません。
いかにも空想的なシナリオです」

 12年に作成された南西シフトの策定文書「日米の『動的防衛協力』について」では中国
との有事の際、本土からの機動展開や地上戦を想定していたことが今年3月、発覚して
いる。だが、現在建設が進むミサイル基地には触れられていない。

『自衛隊の南西シフト』の著者で、軍事ジャーナリストの小西誠氏が説明する。

「これまで有事を想定した演習は行われていましたが、沖縄世論の反発を考えれば平
時にミサイル部隊を配備するのは困難だと考えていたのでしょう。ところが、自衛隊協力
会などを作って誘致運動を行ってきました。一方で、反対運動も起きていますが、建設
や計画を強行しているのです」

 現在、与那国島で陸自のレーダー基地が運営されているほか、奄美大島や宮古島な
どで大規模な基地建設が進められている。奄美と宮古では地対艦・地対空ミサイル基地
や大規模火薬庫、弾薬庫などが建設・計画されている。狭隘(きょうあい)な島に広大な
基地を建設するため、弾薬庫の計画地は住民居住地までわずか200メートルしか離れて
いない。また、石垣島でもミサイル部隊の配備を計画中だ。

「奄美では30ヘクタールと28ヘクタールの二つの基地を建設中ですが、防衛省は駐留す
る人員をそれぞれ350人と200人と発表しています。しかし、この規模ならば大幅な増強が
予想されます」(小西氏)

 もともと南西シフトの提案者は、元陸自西部方面総監の用田和仁氏といわれている。
退官後は、三菱重工の顧問を務めていた人物だ。用田氏は、南西諸島に1500メートルの
滑走路を持つ空港がある島は14あり、それよりもっと短い滑走路を持つ島を含めると20
あることに言及する。そして、南西諸島のことを指して「我々はこれだけの不沈空母を持っ
ている」と述べている(「日本の国防」70号)。

 まさに南西諸島を“軍事要塞化”しようというのである。島々が敵の標的にされ、戦闘が
起きればどうなるか。小西氏が解説する。

「対艦ミサイルが中国軍の艦船を攻撃すれば、発射場所が相手にわかってしまいます。
自走式になっていて、反撃を避けるために島中を移動して戦場化する。対空ミサイルは
対艦ミサイルを守る役目ですが、中国本土から飛んでくる弾道ミサイルには無力です。
この後、出てくるのがPAC3の配備でしょう。しかし、島民は避難する余裕などありません。
自衛隊制服組の資料では『島嶼防衛戦は軍民混在の戦争』になり、
『避難は困難』と明記されている」

沖縄戦の再現を政府は行うつもりなのだろうか。PAC3が常時配備されているのは沖縄本
島だが、先島諸島などが攻撃されれば、輸送する時間的余裕などないだろう。自衛隊や
米軍の都合で住民を紛争や戦闘の危険にさらすことになる。

 中国が現実的に南西諸島を占領することは考えにくいが、軍事要塞化していれば当然、
攻撃の標的になる。一触即発の危機はいつも隣り合わせだ。9月30日、米軍艦船が「航行
の自由作戦」で南シナ海を航行していたところ、中国軍艦船が40メートルまで異常接近した。

「小競り合いをくり返し、エスカレートしていく恐れは常にある。双方で軍拡競争している現
状を止めなければ、本当に南西諸島が犠牲になります」(小西氏)

 もし、中国と有事になったとして、冒頭に触れた陸自に新編された水陸機動団で南西諸
島を防衛、奪還できるだろうか。

 機動団の装備品である水陸両用車AAV7は、FMSで52両を調達し、約366億円を費やす
が、これも「無用の長物化」が懸念されている。

 軍事ジャーナリストの清谷信一氏が語る。

「中古でもエンジンを替えれば、十分、使えるのに、米国から新品をわざわざ購入しました。
もともと14年に試験品として4両を購入し、3年間かけて使えるか否か評価するはずだったの
に、わずか半年間で試験を打ち切り、52両の調達を決めてしまいました。しかし、AAV7は砂
浜からでないと揚陸できず、南西諸島の珊瑚礁や、護岸工事された海岸では使えないこと
は明らかです」

(本誌・亀井洋志)

※週刊朝日  2018年11月9日号


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