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「台湾ロビー」の中核は台北政府から李登輝元総統に移行

アメリカの「台湾ロビー」は「ネオコン」を含む軍産系の政治家やシンクタンクに秘密活動資金を提供して働きかけ、おもに軍事面で台湾を支援するように誘導した。
一方日本の「台湾ロビー」は、同じことを保守系、右翼系政治家や言論人、マスコミ関係者に対して行い、日本が中国から距離を取るか、中国脅威論を吹聴して両国を敵対させる外交政策へと誘導した。


日中戦争の仕掛け人。日本会議以上に危険な「台湾ロビー」の正体=高島康司

台湾独立宣言で日中戦争勃発!戦場は沖縄!
http://helios40.blog.fc2.com/blog-entry-3221.html


「台湾ロビー」の中核は台北政府から李登輝元総統に移行
https://www.mag2.com/p/money/20764/3

ところで、長い間「台湾ロビー」の中核は台北政府であった。だが2000年ころからこの傾向
は大きく変化し、元総統の李登輝が中心的な人物になった。

ちなみに李登輝は、蒋経国の死後、その後継者として中華民国の歴史上初めて選挙で選
ばれた総裁となった人物だ。中華民国総統、中国国民党主席に就任し、中華民国と中国と
の関係改善を中心的な政策とした。

しかし、2000年に総統を退いた後、大きく方針を転換し、台湾独立の立場を明確にした。
「中華民国は国際社会で既に存在しておらず、台湾は速やかに正名を定めるべき」と主張
する台湾正名運動で総召集人を務め、2001年7月には国民党内の本土派と台湾独立派活
動家と共に「台湾団結連盟」を結成した。形式上では既に政界を引退しているものの、独立
運動の精神的な指導者と目されている。

このような李登輝元総統が「台湾ロビー」の中核にいることで、「台湾ロビー」の方針は台北
政府ではなく、いまは李登輝を中心とした独立派の意向で動かされている。


「台湾ロビー」は「日本会議」とも深く関係している

そして興味深いことに、現在の「台湾ロビー」は、憲法改正を行い、天皇制国家復活を夢見る
「日本会議」と連携する関係にある。現在の改造安倍内閣の閣僚20名のうち、14名は「日本
会議」か「神道政治連盟」、またはその両方の所属であるが、彼らは全員「台湾ロビー」の
一員として、李登輝元総統と近い関係にある。

また安倍首相だが、たとえば2015年7月23日には、李登輝元総統と都内のホテルで密会して
いたことが台湾のメディアによって伝えられている。李登輝は「台湾ロビー」の筆頭であった
岸信介の孫である安倍晋三に早くから目をつけ、親密な関係を維持しているという。そして、
安倍政権の対中政策の立案を指南しているのは、李登輝だと見られている。

李登輝の日本担当、金美齢

また、日本に常駐して「台湾ロビー」の人脈を結集させる中心軸となっているのは、評論家
で日本に帰化した金美齢という人物だ。民進党政権では台湾総統府の国策顧問を務めた
こともある人物で、日本では評論家としてマスコミに登場し、さまざまな提言をしている。

提言は、櫻井よし子らの右派論壇と基本的に同じ内容だ。「愛国心の賛美」「激しい中国脅
威論」「日中戦争の扇動」「自主憲法制定の支持」などだ。

金美齢は新宿御苑のビルに広い事務所を持っている。ここは「日本会議」のメンバーのたま
り場のような状態になっており、稲田朋美、高市早苗、山谷えり子のような「日本会議」に所
属する右派系議員も多く参集している。この事務所は安倍政権の対中政策が立案される場
所なのではないかとも見られている。

「日本会議」と「台湾ロビー」が日本の統治機構に浸透

安倍政権の背後には「日本会議」が存在することは広く知られるようになっている。
「日本会議」の中核となってるのは、宗教団体「生長の家」の創始者である谷口雅春の信奉
者の集団と、天皇制国家の再興を主張する宗教団体だ。「日本会議」はカルトであるとして、
欧米のマスメディアの激しい批判の対象になっていることは有名だ。

しかし、この「日本会議」は「台湾ロビー」の中核的な組織でもあり、李登輝や金美齢らとそ
れこそ一蓮托生の関係にある。言って見ればこれは、「日本会議」とともに「台湾ロビー」が、
日本の統治機構に深く浸透していることを示している。

我々はともすると「日本会議」だけに注目してしまうが、「台湾ロビー」は「日本会議」を支援
し、その対中国観に大きな影響力を与えていると見ることができる。

日本の政界・マスコミは小泉政権下で「台湾ロビー」に占拠された

このように見ると、小泉政権で対中政策が大転換した理由もよく分かる。

簡単に言うと、これまでそれなりの勢力を保持していた「北京派」が政界からもマスコミからも
一掃され、対中政策の立案は、台湾の完全な独立を目指す李登輝グループから資金提供
された「台湾ロビー」に独占された状態になったからだ。この状況は民主党の菅政権の前原
国土交通相でも同じであった。

「台湾ロビー」が主導するなか、尖閣諸島の「棚上げ合意」が破棄され、領土問題を中心に
して鋭く敵対する状況が普通になった。

「フォーラム21」と「台湾ロビー」の深い関係

安倍政権の柱のひとつの「日本会議」が「台湾ロビー」の結集軸となっているのであれば、
もう一方の柱である「フォーラム21」はどうなのだろうか?

以前の記事でも書いたように、「フォーラム21」は、日本を代表する大企業と、主要な
省庁の40代から50代の将来を嘱望された中堅幹部が結集する研修機関である。いわば
日本のエリート養成機関である。

【関連】我が国エリートが集う「梅下村塾」(フォーラム21)の影響力=高島康司

日本には隠れた統治機構として、在日米軍の幹部と主要な省庁の官僚が2カ月に1回
日本の内政を協議する「日米合同委員会」の存在が知られているが、ここの官僚を研修
しているのが「フォーラム21」である可能性は高い。「フォーラム21」とは、安倍政権が基
盤にしている官僚層と経済界の結集軸である。

では「フォーラム21」と「台湾ロビー」はどのような関係にあるのだろうか?実は、関係どこ
ろか、「フォーラム21」そのものが「台湾ロビー」の強い影響下にあるようなのだ。

中国脅威論を高く評価、「フォーラム21」の台湾研修

2016年7月3日、台北市の晶華酒店で「フォーラム21」の28期生は、台湾研修の一環として
李登輝の講演を行った。そのなかで李登輝は次のように述べ、現在の安倍政権の中国
脅威論を高く評価した。

まず李登輝は、「長らく経済的にも政治的にも低迷を続けていた日本が、安倍晋三首相の
再登板によりその復活に光が見えてきた」と安倍政権を高く評価し、「平成維新によって
日本を再生させることができるのは安倍首相以外にないと全力で応援しているところです」
と熱烈な支持を表明した。

さらに、「安倍首相は集団的自衛権の行使を認める決断をしました。これは戦後長らく続
いた日本の不整容な状態を正し、再生していくための第一歩であり、決断した安倍首相
には心から敬意を表したいと思います」とし、集団的自衛権の容認こそ日本の向かうべ
き道だとした。

そして次のように発言し、日本がアメリカとともに中国と対峙することを要請した。

「中国との対峙」を求めた李登輝のスピーチ

「太平洋の覇権をめぐり、中国は今やその野心を隠そうとしません。中国側は、もはやアメ
リカにアジアを安定させるだけの力がないことを見抜いているのです。昨年末、中国が一
方的に定めた防空識別圏についても、アメリカは中国に対して懸念を表明しただけで、明
確に反旗を翻したり、撤回を要求したりすることはありませんでした。そういう状態を見て
も、日本はアメリカから独立した存在になるとともに、アメリカ側に立って中国と対峙してい
かなければならないのです」

このように、李登輝は安倍政権の「安保法制」を高く評価し、日本がアメリカとともに中国と
厳しく対峙するべきことを強く主張した。

ちなみに「フォーラム21」は、どの期にも比較的に頻繁に「台湾研修」を実施し、李登輝のグ
ループと関係を密接に維持しているように見える。「フォーラム21」は「台湾ロビー」の影響
下にある可能性はかなり高いだろう。


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